LITENING FLIR POD
赤外線前方監視装置ポッド LITENING
【ライティング】
本来空対空専用のF-15イーグル、昼間のみ戦闘能力を持つF-16ファイティングファルコン。AN/AAQ-13,14
LANTIRNポッドはこれら戦闘機を夜間においてでも精密な攻撃が行えるナイトアタッカーに変身させました。湾岸戦争以来、LANTIRNがその能力を発揮させた例ははいて捨てるほど存在し、全天候型マルチロールファイターを生み出した要因となったと言っても過言ではありません。 LANTIRNは第一世代FLIR(前方赤外線監視装置)の先駆けにして最高傑作(競争相手はいなかった)としてアメリカ空軍戦闘機以外にもF-14,F/A-18や他国の戦闘機にも数多くが装備されることとなりました。なお、LANTIRNは「ランターン」FLIRは「フリア」と読みます。 スウェーデン空軍はグリペンに搭載するFLIRポッドとして第2世代FLIRの一つ、LITENING(ライティング)を採用しております。 イスラエルのラファエル社製LITENINGの主要用途は2つ。夜間のNOE、すなわち低高度地形追随飛行。2つ目は地上目標の探知、識別およびレーザー照射によるLGB誘導です。外見や任務、そして名前のスペルさえも似ているLITENINGはLANTIRNが照準用、航法用の2本のポッドを必要としたのと違い、1本のポッドで照準と航法の両方を行う事ができます。 さらには夜間にこそ真価を発揮するFLIRのほかに可視光線CCDカメラを搭載し、昼間使用においての性能をアップさせました。FLIR/CCDカメラから捉えた画像は、ナビゲーションであればHUDへ、ターゲティングであらばMFDへと表示されます。FLIRは元来低高度からの奇襲を目的として作成されたものであり、高高度からの照準は不可能でないにしても不得手でした。LITENINGはLANTIRNでは2段階であった拡大率がさらに1段階増えた3段階になりより高高度、より長距離で目標選別が可能となりました。解像度も上昇しているため拡大時にアラができることもありません。 実際使えるのかどうかは不明ですが、目視外戦闘の距離で空対空レーダーとFLIR/CCDが連動することにより機種の選別が行えるといわれています。 もはや現代戦闘機に無くてはならないFLIRは1本のポッドでマルチタスクが可能となりコストパフォーマンスも向上しました。この新世代LITENINGはグリペンには兵装搭載ステーションを使用する事無く、動体下面側部に搭載されます。 また、米空軍でもATP(先進ターゲティングポッド)として、LITENINGをさらに強化したLITENING IIの採用が色濃くなりつつあります。競合相手はほぼ同等の能力を持つ、海軍がF/A-18EF搭載のため採用を決定しているAT-FLIRです。面白い事にAT-FLIRはボーイング社有のF-15Eに搭載して試験が行われました。 |
||||||||||||||
|